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恐怖のウォシュレット。四角いジャングルで身も凍るバトル!

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2013年2月、それは起きた。

まだかなり寒いが、心地よい目覚めと共に毎朝のおつとめ。
それは快便。

いつものようにスッキリして、「おしりボタン」に指を伸ばす。
僕はいつも強めの放水設定にしている。

シュビビビビ!
勢いよく飛び出す洗浄水にハゥっと一息ついて、「止ボタン」に人差し指を合わせた。
ぽちり。

……?

ぽちり……?

ぽちり&ぽちり……!?

数回「止ボタン」を押した時、僕は青ざめた。

 

止まらぬ!水が止まらぬのだ!
ぽちり、ぽちり、ぽちぽちぽちり!
止まらぬ!何故だ!

 

液晶画面には、水のパワー表示がちゃんと映ってる。
しかし、なんてことだ、「止ボタン」が反応しない!

気がつくと、温水であったケツ洗浄水はいつしか水道から直で出したのと同じ冷水へと変わっていた。
しかも今は2月。この気候での水温はかなりキツイ。

 

シュビビビビ!
氷水のようなレーザービームがケツに刺さる。

 

しかーし!ケツをここから動かすわけにはイカンのだ。
ケツを動かす。それは自分含めて辺り一面水浸しの放水地獄。

ケツのホールでしっかり、悪魔の放水を受け止めなくてはならぬのだ。

 

肛門の温度はもう危険な状態だ。
少し痛みが出てきた。

ウォシュレットのリモコンの蓋を開け、細かいボタンをあれこれ押してみる。
水の勢いにまったく変化がない。

せめて水の勢いが小さくなればと、マイナスボタンを押し続けるも効果がない。
とうぜん「やわらかボタン」なんか既に何度も試している。

 

意を決して、トイレのドアを開け「おーーーい!」と叫ぶも、

静まりかえった家の中にはシュビビビビと吹き出す放水装置の音だけがむなしく響く。

 

 

今日は家族が朝からいないのだった。

 

つ、冷たい。ブルッと悪寒が走る。オカンは買い物中。
肛門ホールに痛みが出てきた。
このままでは、痔になって凍死してしまう。

狭い空間でたった1人、孤独にさいなまれながらの肛門と冷水の戦い。

 

孤独死!変死!はたまた変態放水プレイでの事故死!

 

このまま放水が続いたら、新聞やテレビは好き勝手に報道するのだろう。
悲しくなってきた。そうじゃないんだ!
リモコンがおかしいのだ!

 

叩きつける水流に痛みを通り越して
肛門ホールどころかケツが麻痺し始めてきた時だった。

フーーッと悲しみに下を向いた時、視界の片隅に直方体の物体が目に入った。

 

「コンセントだ!」僕は、難解な推理小説の犯人を探り当てた時のようなハッとした顔で叫んだ!

 

ウォシュレットのアダプターを力強く引き抜くと、凍てつく悪魔の放水はようやく矛を収めた。

 

僕はもう一度大きく溜息をついて肩を落とした。
「勝った!勝ったんだ。俺は……!」
なんともいえぬ、達成感がこみ上げ、そして肛門にジョジョに体温が戻るのを感じつつ、尻をフキフキして、やっとこさ、ブラウンオブジェクトに別れを告げた。

 

こうして僕は、変態プレイヤーの汚名を着ることなく、無事生還することがだきた。
このあと調べたところ、ウォシュレットのリモコン部分の電池を7年も変えていなかったことが判明した。ただちに単3電池を購入し入れ替えた。
ケツまで電動で洗う文明社会。

その反動はこうして都会の片隅で確実にアナタのケツを狙っているのだ。
ひょっとしたら、今日あなたのウォシュレットが言うことを聞かなくなるかも知れない。
その時、あなたは、トイレという四角いジャングルでこの試練を乗り切れるかな!?

 

うははははははははは!